このお写真は伸吾先生のお父様片山慶次郎先生の三回忌お追善能の時に演じられました
「安宅」の一場面なのですが、後にお座りの後見役は観世流のご宗家観世清和氏です。
この写真を選ばせていただいた時には気づいていなかったのですが。
最初後見として人間国宝の片山幽雪先生がお座りになった時に驚いたのですが、
俳句仲間であり仕舞のお稽古をされています(金剛流)方からお能での後見の役割を
教えていただいて納得しました。
観世の能楽師であり伸吾先生のお仲間で、私たちもお世話になっています、味方玄(みかた しずか)
先生がお書きになったものをご紹介させていただきます。
後見のしごと
幕揚げ、シテが舞台に入ったらすぐに後見座へ。時には、シテの代役も!
いよいよ能が始まると、後見二人で幕を揚げる。シテが出て、舞台へ入れば後見座へ出て
決められた仕事をする。
また舞台上の不足の事態にも対処しなければならない。
シテなどが謡の文句に詰まってしまった時には、すぐ客席にわからないように
小声で次の言葉をつける。
装束の袂が冠に引っかかってしまったらシテの所作の邪魔にならないタイミングをはかっって
直す。なるべく、目立たず、さりげなく行うことが条件。
ということは後見はすべてのセリフ、すべての所作が頭に入っていなければならない。
そのため、シテが急病の時は後見が代役をする決まりになっている。
後見は誰がする?
このようにかなり重要な役のため、後見はシテを勤める役者と同格かそれ以上の者が
勤めるし、難しい曲目や(石橋)(猩々乱)(道成寺)などの曲目では演者の師匠が後見を
勤める場合が多くある。
そしてそれ以外に舞台の成功を左右するシテの着付けも後見お二人でされるそうです。
それから舞台監督 舞台への作り物の出しいれなどの大切なお役目もあるそうです。
こういった知識をもちましてお能の舞台を拝見しますと、また一層楽しみが増しますですね。
知らないことを知った時の驚きと興奮。
65歳に今年なりますが、まだまだ人生知らないことばかり。胸がときめきます。