逝きたれば物干し竿の冬日影
冬めくや流れの底に石並ぶ
有り体に生きろと声や冬木立
冬は終わりました。
今日はそれを感じさせる日になりました。
何故かそうなりますと冬を恋ている私もいまして
俳句の会が始まると同時に先生が99号までであると仰った。
99号で終わりにすると。
ずっと僕が死ぬまでとは仰らなかった。
そしてその99号がまもなくやってくる。
先生は夜な夜な羽を抜いていたという
私たちはもう一度羽が生えて大空へ飛び立ってくださればいいと思う
俳句が作れるとは思っていなかった。
いや作れていないかもしれない
ただこの草藏の扉を開けた時、靄が立ち込め先はまったく見えなかったが、
徐々に靄は消えていく
だが
先生の姿は見えない
あまりに遠くあまりに高く
結局追いつけなかった
だが
いずれ雲の中から手が伸びてきて、その手を握れば又再会となる
終わりが来るとはおもわなかったが、又始まりもあると信じている
先生は僕はアイヌであると仰った
私はそうかもしれないと思ってましたと答えた
かなり前から先生はそうだ、詩の中で歌の中でそう感じていたと
草と同じ目線で
抜いた羽が又生えて
そして先生は飛んで行く
いずれ雲の間から手が伸びて私たちを迎えにくると信じている
俳句は先生の作品ではありません