なごり雪が流れています。
父が突然若い青年の不注意により命を失くした後、私は暗い海に突き落とされ
それからずっと暗い海を泳ぎ続けています。
休むことを許されずずっと。
父が死んでも私はいつもの生活を続けなくてはならなかった。
すぐに忘年会の季節になり私は楽しくお酒を交わす。
家までの長い道を男性の友人が送ってくれた。
私の父に会ったこともある友人。
暗い道を走っている時にこのなごり雪が流れてきました。
明るく振る舞っていた私は突然泣き出し涙が止まらなくなりました。
それからこのなごり雪を聞くと、それも一人家にいるときに聞くと
必ず涙があふれ出してきます。
あの日の夜道を走る車の中のあの時の悲しみが湧きだしてきます。
あれからもう40年もたったというのに。
今父を失ったかのように。
忘れていたはずのあの時の悲しみが襲ってきます。
あの時のままの悲しみが。
40年たってもあの時の悲しみを思いだす。
私だったら、父が苦労して作り上げた会社だったら好きにしたらいい。
付き添ってきた社員と一緒に乗った船が沈没するんだっったそうしたらいい。
私に残さなくてもいい。何にもいらない。
父が幸せだったらそれでいい。
最後まで城主でいて欲しい。燃え盛る城で最後まで戦えばいい。
私は私で一から生きていく。
一から私の世界を作り上げる。
父に勝るものはない。
私を溺愛した父
私はラッキーだったと思います。
溺愛されながら育ったから。
それ以上の物はいらない。