涼しい朝の中で目覚めました。
夏の日の涼しい朝というものはほんとうに気持ちがいいもので、
これは山の中での目覚めに似ています。
とくに早朝、日が昇る直前に外にでますと、空気はまるで山の中と同じなんですね。
緑の匂いがします。
これは不思議なんですが、日が昇るともうその匂いは消えてしまいます。
30代にはよく山に登りました。
休みの日はほとんど六甲の山の中にいましたですね。
奥穂にも三回登りました。
夜行バスで上高地まで行き、そこから徳沢へと歩いていくんです。
横尾まできましたら登山口がありますので、そこから一気に涸沢まで
登ります。
リュックは10キロ近い荷物が入っていますので、それは一人では
背中に背負うことができませんから、手伝っていただいたり、
何かの上に一旦乗せてから背中に背負います。
なぜか陸橋の階段を登れないほどの重さに感じるのですが、
穂高はそれで登るんですね。
陸橋は無理だけれど、穂高は登るという不思議なことが起きます。
気力だけなんでしょうか。
毎回途中の休憩所で思いますのは、もう二度と来ない。
ですが、目的地に到着しますと、あっと言う間にそういう思いは
飛んでしまします。
涸沢にはそういう魅力がありますね。
まあほかの山でもいいのですが。
五日ほど、涸沢に滞在しますが、降りたくないといつも思います。
お昼は夏で夜は冬。。
体力が必要ですね
10人ほどのパーティーでしたが、ほとんどのメンバーは
ロッククライマーでしたから本格的なやまやさんと
生活したことになります。十代の子もいました。
暗いうちから出掛ける皆を送り出し、後はのんびりと
読書したり。
連れてきていただいたお礼に夕飯を作ったり。
まあ彼らはお酒の一升瓶までリュックに入れてきます。
彼らは用事ができたと又下まで降りてかけ上がって戻ってきます。
週に五日は着物姿で二日は山登りの格好というなんとも
奇妙な30代でした。
部屋には青い地球とスペースシャトルの大きなポスター。
本気で、生まれ変わったら、もっと賢く生まれて宇宙飛行士に
なりたいと思っていた30代でした。
カール セーガン博士の本を読んだり、勿論映画「コンタクト」
も見ました。
宇宙ものの映画 テレビドラマも。
まあ、本当に変わってましたね。