今日は早朝の仕舞のおけいこ。10時には終わりますので、お昼からの着物教室にはまだ間があります。
この厳しいスケジュールの中、ぴったりと入ってきます。不思議。
先生が熱心に指導されていてもなかなか覚えることができません。「覚えられません」と言いますと、先生は「覚えなさい」と一言。私は素直に「はい」
先日月の舞台で先生のお能を拝見したばかりですが、あまりにも素晴らしく、一緒に行った生徒さん方とも興奮冷めやらずに話をしていましたから、その方に熱心に指導されましたら「はい」としか返事ができませんでした。60の手習いごときにあまりにも熱心にご指導されるので、もったいないという気持ちが先にたちます。
おまけに手取り足取りのご指導で有名な方ですから、本当に手を取って動きをご指導になり、耳元では先生のお謡を一人でお聞かせいただくことになり、ここでも勿体ないが心を通り過ぎます。おまけにあの偉大なる井上八千代さんのお孫さんですから、私にとっては猶更のこと。
「覚えなさい」と静かにそして力のこもったお言葉はふと井上八千代さんのお言葉だと思ってしまいました。
芸に厳しい方でしたが、当然その血は伸吾先生にも受け継がれていることでしょうね。